痛風・尿酸外来
痛風・尿酸外来の紹介
当院で痛風・尿酸外来が始まります。
担当医は、防衛医大の松尾教授になります。
火曜日午後2時〜4時30分までの完全予約制となっています(月4回前後で毎週ではありません)。
痛風・高尿酸血症
痛風・尿酸外来では、後述の新しい臨床分類に基づき、遺伝子の個人差に応じた医療を実施します。これにより、患者様が継続して来院されることで、ほぼ全ての痛風患者さんで「痛風のない状態」、つまり「関節腔における尿酸沈着状態を脱却」すること(根本的に痛風を治すこと)が期待できます。
初期に集中的に検査をして、患者様の痛風・高尿酸血症の「状態」を十分に把握したうえで治療方針を決定します。その後、しばらくの間は月1回の火曜日午後での定期受診によるフォローになります。本外来で痛風を治すためには、火曜日午後の継続的な定期受診が必要になりますので、その時間帯での定期受診が難しい患者様のご予約やご相談はご遠慮ください。
担当する松尾先生の研究グループは、痛風遺伝子ABCG2(尿酸トランスポーター遺伝子)を発見しました(文献1)。
また、痛風・高尿酸血症の発症にアルコールや肥満などの環境要因だけでなく、それ以上に遺伝要因が大きいことを明らかにしました(文献2)。ABCG2遺伝子の個人差の程度に応じたダイエット目標の設定など、遺伝子の個人差に応じた医療が可能になっています。さらに、痛風・高尿酸血症の新しい臨床分類やメカニズムの提唱(文献3)も行っています。
低尿酸血症
尿酸値が低いと言われたことがありますか?
血清尿酸値が2.0 mg/dl以下を「低尿酸血症」と呼び、2.1~3.0 mg/dlを「軽度の低尿酸血症」と呼びます。
日本人で低尿酸血症の症例の中で多くを占めるのが腎性低尿酸血症です。無症状の場合も多いですが、しばしば運動後急性腎障害や尿路結石の合併症を引き起こす疾患です。本外来では、後述のガイドラインとその後の論文発表を含めて、最新の知見に基づく診療が実施されます。必要な臨床検査(血液、尿検査、画像検査)の他、遺伝子検査を実施して診断の上、合併症の適切な予防法や留意点などについて説明をして、フォローをさせていただいています。
担当する松尾先生の研究グループは、腎性低尿酸血症の1型(URAT1遺伝子、文献4)と2型(GLUT9遺伝子、文献5)の原因となる遺伝子(尿酸トランスポーター遺伝子)も発見しています。
また、関連学会と防衛医大により、世界初の「腎性低尿酸血症診療ガイドライン」(文献6)も発刊されており、その後も今後のガイドラインの改定につながる研究発表もされています。
痛風・高尿酸血症、低尿酸血症で来院される場合
来院される場合には、昼食抜きで(採血・尿検査のため)、時間に余裕をもって(初回及び最初の数回は、時間がかかります)お越しください。再診の患者様もいらっしゃいますので、初回の方は人数限定で、3時以降からの時間帯での予約受付になります。
過去の検診結果や採血の結果、また、お薬手帳がありましたら、残ったお薬と一緒に持参をしてください。
痛風・尿酸外来(完全予約制)の初診予約をご希望の方へ
予約は下記時間にて電話でお受けいたします。
時 間:(平日)14:00~16:00
T E L:04-2997-8199
診察日:火曜日午後(月4日程度)完全予約制
※初診の方の予約枠は火曜日午後の15時または16時の時間枠になります。
(初回や最初の数回は時間がかかりますので、時間に余裕を持ってご来院ください。)
松尾先生の代表的な論文発表
文献1:「痛風の主要遺伝子ABCG2の発見」
文献2:「痛風予備軍には飲酒や肥満よりも遺伝子が強く影響する」
※サイト内の右上にあるボタン「Download PDF」をクリックしますと上記論文を無料でダウンロードできます。
文献3:「生活習慣病のひとつ、高尿酸血症の定説を覆す発見」
※サイト内の右上にあるボタン「Download PDF」をクリックしますと上記論文を無料でダウンロードできます。
文献4:「腎性低尿酸血症1型の原因遺伝子であるURAT1/SLC22A12の発見」
文献5:「腎性低尿酸血症2型の原因遺伝子であるGLUT9/SLC2A9 の発見」
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